ゴルフスイングで起き上がりが出てしまい、ミスショットに悩んでいる方は少なくありません。インパクトで体が伸びてしまったり、トップやダフリが増えたりすると、「腹筋が弱いのではないか」「体幹を鍛えなければならないのではないか」と考えてしまいがちです。
しかし実際には、起き上がりの多くは筋力不足が原因ではありません。前傾姿勢を保ったまま体を動かす方法が分からず、体を起こしたほうがクラブを振りやすい動きを選んでしまっているケースがほとんどです。とくに初心者の場合、体のひねり方が分からなかったり、フォロースルーやボールへの意識が強くなりすぎたりすることで、無意識に起き上がりが起こります。
そこで本記事では、起き上がりを単なるミスとして捉えるのではなく、体の使い方の結果として整理し直します。前傾姿勢が崩れる理由を動作の流れから解説し、左手の甲の向きやクラブの重さの受け止め方といった具体的なポイントを通して、無理なく安定したスイングにつなげていきます。
起き上がりを抑え込もうとしてもうまくいかなかった方にこそ、体の使い方を見直すヒントとして読んでいただきたい内容です。

-
ゴルフスイングで起き上がりが起こる本当の原因
-
前傾姿勢が崩れる体の使い方の特徴
-
左手の甲とクラブの重さの正しい関係
-
腹筋を意識せず前傾を保つ動きの考え方
ゴルフスイングで起き上がりが起きる本当の原因とは
-
起き上がりは力不足ではなく体の使い方の問題である
-
前傾姿勢は筋力ではなく動きのバランスで保たれている
-
スイング中に体の支点がズレると起き上がりが起こる
-
フォロースルーやボール意識が体の動きを乱すことがある
-
起き上がりをミスではなく動作の結果として捉える考え方
起き上がりは力不足ではなく体の使い方の問題である
ゴルフスイング中に体が起き上がってしまう現象は、腹筋が弱いから、筋力が足りないからだと考えられがちです。しかし実際には、力の強さよりも体の使い方が合っていないことが原因になっているケースが多く見られます。
なぜなら、スイング中の前傾姿勢は、強い筋肉で無理に支えるものではなく、体の各部分が正しい順序で動くことで自然に保たれるからです。日常生活を考えても、長時間前かがみの姿勢を取るときに腹筋に強く力を入れ続ける人はほとんどいません。それでも姿勢が崩れないのは、体全体のバランスで支えているためです。
例えば、アドレスでは問題なく前傾できているのに、ダウンスイングに入ると体が伸び上がる人がいます。この場合、筋力が足りないのではなく、クラブを振ろうとする意識が先に立ち、体の使い方が途中で変わってしまっています。その結果、体はバランスを取るために無意識に起き上がる動きを選んでしまいます。
このように考えると、起き上がりは体がサボっているのではなく、正しく動けていないサインだと言えます。まずは筋力の有無を疑うのではなく、スイング中に体がどのような順序で使われているかに目を向けることが大切です。
前傾姿勢は筋力ではなく動きのバランスで保たれている
まず多くの場合、テークバックでは本来「体をひねる」動きが必要になります。しかし、体のひねり方が分からないと、人は無意識に「体を起こして回す」動きを選んでしまいます。
前傾したまま体をひねる感覚がつかめないと、上体を少し起こしたほうが回りやすく感じるためです。このとき、本人は回転しているつもりでも、実際には前傾角度がほどけてしまっています。
例えば、テークバックで肩を回そうとした瞬間に、胸が上を向いたり、頭の位置が高くなったりする人がいます。これは体の柔軟性や筋力の問題というより、前傾を保ったまま体をひねる動作を知らないことが原因です。
このように、体をひねるべき場面で体を起こしてしまうと、スイング中の支点がズレます。その結果、ダウンスイングでも前傾を維持できず、起き上がりが起こりやすくなります。
スイング中に体の支点がズレると起き上がりが起こる
スイング中に起き上がりが発生する人の多くは、体を回しているつもりでも、実際には体の支点が途中でズレています。支点とは、前傾した上体を保ったまま回転するための基準となる位置のことです。
本来、テークバックでは前傾姿勢を維持したまま、体を横方向にひねる動きが求められます。しかし、体のひねり方が分からないと、回転しやすいように無意識に上体を起こしてしまいます。すると、前傾していたときにあった支点が上方向へ移動します。
例えば、テークバックで肩を回そうとした際に、胸が上を向いたり、頭の位置が高くなる動きが見られる場合があります。この動きが起きた時点で、体は前傾した状態で回る準備ができていません。そのままダウンスイングに入ると、前傾姿勢を保ったまま回転することが難しくなります。
このとき体は、バランスを取るために自然と上体を起こす方向へ動きます。起き上がりはインパクト直前の問題に見えますが、実際にはテークバックの段階で支点がズレた結果として表れています。スイング中の一瞬ではなく、体の使い方の流れ全体を見直すことが重要です。
フォロースルーやボール意識が体の動きを乱すことがある
スイング中に体が起き上がってしまう人の中には、フォロースルーを大きく出そうとしたり、ボールを強く意識しすぎているケースがあります。一見すると良さそうな意識ですが、向け方を間違えると体の使い方を崩す原因になります。
例えば、インパクト後の形を意識しすぎると、早い段階から体を起こしてクラブを振り抜こうとする動きが出やすくなります。本来は前傾した状態で回転し続ける必要がありますが、フォロースルーを作ろうとする意識が先に立つことで、体の向きや高さが途中で変わってしまいます。
また、ボールを凝視しすぎると、頭の位置を固定しようとして首や上半身に力が入りやすくなります。その状態で体を回そうとすると、上下方向の動きが入りやすくなり、結果として体が浮くような動きにつながります。
このように、フォロースルーやボールを見る意識そのものが悪いわけではありません。ただし、意識が体の動きよりも先行すると、無意識の補正動作として起き上がりが起こることがあります。体の動きの流れを優先し、その結果として形が作られるという順序を意識することが大切です。
起き上がりをミスではなく動作の結果として捉える考え方
起き上がりが出る人、とくにゴルフを始めたばかりの人は、スイング中に前傾姿勢を保つことができていない場合が多く見られます。前傾を維持したまま体を動かす感覚がつかめていないため、体を起こしたほうがクラブを振りやすく感じてしまうからです。
前述の通り、テークバックで体をひねる動きがうまくできないと、前傾した状態で回転する準備が整いません。そのまま振り下ろしに入ると、前傾を保ったままでは動きにくくなり、体を起こす動作を無意識に選んでしまいます。
また、フォロースルーを大きく出そうと意識しすぎたり、ボールを当てようとして頭を固定しすぎることで、体が上下に動いてしまうこともあります。この上下動が起きると、前傾姿勢は保てず、結果として体が伸び上がる形になります。
このように、起き上がりは偶然起こるものではありません。前傾姿勢を維持できない状態でクラブを振ろうとした結果、体が「動きやすい形」として選んだ動作が、起き上がりとして表れているのです。
左手の使い方から体幹が自然に働くスイング動作を作る
-
左手の甲の向きが体の連動を引き出す
-
左手の甲を下に向けると腕の使い方が変わる理由
-
屈筋の働きが上半身の安定につながる仕組み
-
体幹を意識しなくても前傾が保たれる動きの流れ
-
左手主導を誤解しないために知っておきたい注意点
左手の甲の向きが体の連動を引き出す
ゴルフスイングでは、クラブを主に支えているのは左手です。右手は動きを助ける役割に近く、クラブの重みそのものは左腕で受け止める形になります。そのため、左手の使い方が不安定だと、体全体の動きも崩れやすくなります。
左手の甲を下に向ける動きには、フェースの向きを整える意味だけでなく、クラブの重さに耐えるという重要な役割があります。甲が下を向くことで、左腕全体でクラブを支えやすくなり、手首や指先だけで重さを受ける状態を避けることができます。
この状態が作れると、クラブの重さを体の近くで受け止められるため、腕と胴体がばらばらに動きにくくなります。無理に体を意識しなくても、左腕を通じてクラブの重さが体側に伝わり、結果として体の動きと腕の動きがそろいやすくなります。
左手の甲を下に向けることで、クラブの重さを左腕全体で受け止めやすくなります。手先でクラブを操作しようとする必要がなくなり、クラブの重みが腕を通して体側に伝わる形になります。
この状態が作れると、体は無理に姿勢を変えなくてもクラブを動かせるようになります。前傾姿勢を保とうと意識しなくても、体を起こさずにスイングを続けることができるため、起き上がりが起こりにくくなります。
つまり、左手の甲の向きは見た目の形を整えるためのものではありません。クラブの重さをどこで受け止めるかを決め、その結果として体が無理なく動ける状態を作るための要素です。左手の甲を下に向けることは、体とクラブを一体として扱うための土台になると言えます。

左手の甲を下に向けると腕の使い方が変わる理由
左手の甲を下に向けた状態でクラブを支えると、腕の使い方そのものが変わってきます。これは意識して力を入れるという話ではなく、体の構造上、自然に起こる変化です。
左手の甲が下を向くと、手首や前腕だけでクラブを操作しようとする動きが減り、腕全体でクラブを支えやすくなります。クラブの重さを腕全体で受け止める形になるため、腕が体の一部として機能しやすくなります。
例えば、クラブを持ったときに左腕に軽く力こぶができる感覚がある場合、それは腕で無理に振っているのではなく、クラブの重さを受け止められている状態です。このとき、腕だけが独立して動くのではなく、体の動きに合わせてクラブがついてくる形になります。
こうして腕の使い方が整うと、体を起こしてクラブを振る必要がなくなります。前傾姿勢を保ったままでもクラブを扱いやすくなり、結果として起き上がりが起こりにくくなります。左手の甲を下に向ける意識は、腕を正しく使うための入り口として大きな役割を果たします。
屈筋の働きが上半身の安定につながる仕組み
左手の甲を下に向けてクラブを支えると、腕の内側にある屈筋が自然に使われるようになります。これは力を入れようと意識した結果ではなく、クラブの重さに対して体が適切に反応している状態です。
屈筋が働くと、左腕はただ伸びた棒のような状態ではなく、重さを受け止められる形になります。このとき、腕だけでクラブを支えるのではなく、腕の付け根から上半身へと力の流れがつながりやすくなります。結果として、腕と胴体が分離せず、上半身全体でクラブを扱う感覚が生まれます。
例えば、左腕に軽く力こぶができる感覚がある場合、それは腕で振っているのではなく、クラブの重さに対して屈筋が反応している状態です。この反応が起きると、肩や胸まわりの力が抜け、体を固めずにスイングしやすくなります。
こうして屈筋を通じた力の流れができると、上半身は前傾した姿勢のままでも安定します。体を起こしてクラブを振る必要がなくなり、結果として起き上がりが起こりにくくなります。屈筋の働きは、上半身を支えるための「筋力」ではなく、正しい体の使い方ができているかどうかの目安と考えると分かりやすいでしょう。
体幹を意識しなくても前傾が保たれる動きの流れ
左手の甲を下に向けてクラブの重さを左腕で受け止められるようになると、その重さは腕の中だけで止まらず、上半身へと伝わっていきます。このとき体は、前傾した姿勢のまま安定しやすい状態になります。
この状態は、ボクサーがガードを構えたときの姿勢に近いものです。軽く前かがみになり、腕を体の前に構えた姿勢では、腹筋に自然と力が入り、上半身が安定します。腹筋に力を入れようと意識しなくても、姿勢そのものが腹筋を働かせる形になっています。
ゴルフスイングでも同じで、左腕でクラブの重さを受け止め、その重さが体の近くにある状態を作れると、上半身は少しかがんだ姿勢を保ちやすくなります。この姿勢では、腹筋は体を固めるためではなく、前傾を支える役割として自然に働きます。
逆に、クラブの重さを腕で受け止められず、体から離れた位置で操作しようとすると、前傾した姿勢を保つことが難しくなります。その結果、腹筋がうまく働かず、体を起こしたほうが楽に感じてしまいます。
このように、腹筋を使おうと意識する必要はありません。左腕でクラブの重さを受け、体の近くで扱える状態を作ることで、ボクサーのガードのように腹筋が自然に働き、前傾姿勢が保たれる流れが生まれます。
左手主導を誤解しないために知っておきたい注意点
ここまで読んで、左手の重要性を強く感じた方も多いかもしれません。ただし、左手主導という言葉を「左手で強く振ること」だと捉えてしまうと、逆にスイングを崩してしまいます。
左手主導とは、力を入れてクラブを操作することではありません。クラブの重さを左腕で受け止め、体の近くで扱える状態を作ることを指しています。この状態があって初めて、体の動きに合わせてクラブが自然についてくる形になります。
また、左手の甲を下に向ける意識も、形を作るためのものではありません。フェースの向きを整える目的に加え、クラブの重さに耐えるための使い方です。甲の向きだけを意識して力を入れすぎると、手首や腕が固まり、かえって体の動きが止まってしまいます。
大切なのは、左手でクラブを「振る」のではなく、「支える」ことです。クラブの重さを受け止められると、前傾姿勢や体幹は意識しなくても安定しやすくなります。結果として、起き上がりを抑えようとしなくても、自然と安定したスイングにつながっていきます。
左手主導はテクニックというより、体の使い方の土台です。無理に形を作ろうとせず、クラブの重さをどう受け止めているかを確認することが、改善への近道になります。
起き上がりを防ぐゴルフスイングの体の使い方まとめ
-
起き上がりは筋力不足ではなく体の使い方の問題である
-
起き上がりが出る人は前傾姿勢を保てていない
-
前傾が保てないと体を起こしたほうがクラブを振りやすく感じる
-
テークバックで体をひねれないと前傾したまま回れない
-
フォロースルーを意識しすぎると体が先に起きやすい
-
ボールを凝視しすぎると頭が上下して前傾が崩れる
-
起き上がりはスイング中に体が選んだ動作の結果である
-
クラブの重さを支える主役は左手である
-
左手の甲を下に向けるとクラブの重さに耐えやすい
-
左腕で重さを受けると手先の操作が減る
-
屈筋が働くと腕と上半身のつながりが強くなる
-
上半身が安定すると前傾姿勢を保ちやすい
-
ボクサーのガードのような姿勢では腹筋が自然に働く
-
腹筋は意識して入れるものではなく姿勢の結果として働く
-
左手主導とは左手で振ることではなく重さを受けることである