ゴルフスイングで起き上がる人の共通点|前傾姿勢と左手主導の真実

ゴルフスイング基礎

ゴルフスイングで起き上がりが出てしまい、ミスショットに悩んでいる方は少なくありません。インパクトで体が伸びてしまったり、トップやダフリが増えたりすると、「腹筋が弱いのではないか」「体幹を鍛えなければならないのではないか」と考えてしまいがちです。

しかし実際には、起き上がりの多くは筋力不足が原因ではありません。前傾姿勢を保ったまま体を動かす方法が分からず、体を起こしたほうがクラブを振りやすい動きを選んでしまっているケースがほとんどです。とくに初心者の場合、体のひねり方が分からなかったり、フォロースルーやボールへの意識が強くなりすぎたりすることで、無意識に起き上がりが起こります。

そこで本記事では、起き上がりを単なるミスとして捉えるのではなく、体の使い方の結果として整理し直します。前傾姿勢が崩れる理由を動作の流れから解説し、左手の甲の向きやクラブの重さの受け止め方といった具体的なポイントを通して、無理なく安定したスイングにつなげていきます。

起き上がりを抑え込もうとしてもうまくいかなかった方にこそ、体の使い方を見直すヒントとして読んでいただきたい内容です。

この記事でわかること 要点
ゴルフスイングで起き上がりが起こる本当の原因 筋力不足よりも、前傾姿勢を保ったまま回転する体の使い方が分からないことが原因になりやすいです。
前傾姿勢が崩れる体の使い方の特徴 テークバックで体を起こして回る、フォロースルーを急ぐ、ボール意識が強すぎるなどの流れが起き上がりにつながります。
左手の甲とクラブの重さの正しい関係 左手の甲を下に向けてクラブの重みを受けると、腕と体がつながりやすくなり、前傾が保ちやすくなります。
腹筋を意識せず前傾を保つ動きの考え方 腹筋を固めるのではなく、左腕から上半身へ重さが伝わる流れを作ることで、自然に安定した姿勢が生まれやすいです。

ゴルフスイングで起き上がりが起きる本当の原因とは

起き上がりは力不足ではなく体の使い方の問題である

ゴルフスイング中に体が起き上がってしまう現象は、腹筋が弱いから、筋力が足りないからだと考えられがちです。しかし実際には、力の強さよりも体の使い方が合っていないことが原因になっているケースが多く見られます。ここ、かなり気になりますよね。起き上がりが出ると、見た目としては「姿勢を支え切れていない」ように見えるので、どうしても体幹不足や筋力不足を疑いたくなります。ただ、アドレスでは普通に前傾できている人が、スイングに入った瞬間だけ起き上がるのであれば、それは静止した姿勢を支える力の問題というより、動きの中で姿勢を保つ方法がつかめていない可能性のほうが高いかなと思います。

なぜなら、スイング中の前傾姿勢は、強い筋肉で無理に支えるものではなく、体の各部分が正しい順序で動くことで自然に保たれるからです。日常生活を考えても、長時間前かがみの姿勢を取るときに腹筋に強く力を入れ続ける人はほとんどいません。それでも姿勢が崩れないのは、体全体のバランスで支えているためです。ゴルフでも同じで、前傾は“止める姿勢”ではなく“動きの中で保たれる姿勢”なんですよね。だから、筋トレを足すだけでは解決しにくいケースがかなりあります。

例えば、アドレスでは問題なく前傾できているのに、ダウンスイングに入ると体が伸び上がる人がいます。この場合、筋力が足りないのではなく、クラブを振ろうとする意識が先に立ち、体の使い方が途中で変わってしまっています。その結果、体はバランスを取るために無意識に起き上がる動きを選んでしまいます。つまり、起き上がりは体がサボっているのではなく、今の動きの中ではそのほうが振りやすいと体が判断している状態なんです。これを知るだけでも、起き上がりへの見方はかなり変わってくるかなと思います。

このように考えると、起き上がりは体が正しく動けていないサインだと言えます。まずは筋力の有無を疑うのではなく、スイング中に体がどのような順序で使われているかに目を向けることが大切です。私は、起き上がりがある人ほど「もっと踏ん張る」「もっと腹筋を締める」と頑張りたくなる気持ちはわかるのですが、そこで頑張りすぎるほど体はさらに硬くなりやすいとも感じています。原因を力不足に決めつける前に、今の体がどう動こうとしているのかを観察することが、改善の入り口になります。

ポイント

起き上がりは支える力が足りないのではなく、その動きの流れでは体を起こしたほうが振りやすくなっている状態です。原因を筋力に限定しないだけで、改善の方向がかなり変わります。

前傾姿勢は筋力ではなく動きのバランスで保たれている

まず多くの場合、テークバックでは本来「体をひねる」動きが必要になります。しかし、体のひねり方が分からないと、人は無意識に「体を起こして回す」動きを選んでしまいます。前傾したまま体をひねる感覚がつかめないと、上体を少し起こしたほうが回りやすく感じるためです。ここ、かなり大事です。前傾姿勢というと静止して守るものに見えますが、実際には回転の中で自然に残るべき姿勢なんですよね。だから、前傾を保つために力を入れるより、前傾したまま回れる動きを知ることのほうがはるかに重要です。

例えば、テークバックで肩を回そうとした瞬間に、胸が上を向いたり、頭の位置が高くなったりする人がいます。これは体の柔軟性や筋力の問題というより、前傾を保ったまま体をひねる動作を知らないことが原因です。体は回したい、でもその回し方がわからない。そうすると、一番簡単な方法として“少し起き上がって回る”を選びます。この時点で、すでに前傾姿勢は保てなくなり始めています。本人としてはちゃんと回っているつもりでも、実際には回転と同時に高さまで変えてしまっているんですね。

このように、体をひねるべき場面で体を起こしてしまうと、スイング中の支点がズレます。その結果、ダウンスイングでも前傾を維持できず、起き上がりが起こりやすくなります。つまり前傾姿勢は、腹筋で押さえ込むよりも、回転の仕方が合っているかどうかで決まりやすいです。ここを理解すると、「前傾が崩れるから腹筋を入れよう」ではなく、「前傾が崩れない回り方を覚えよう」という発想へ変わります。

前傾姿勢は筋力ではなく、動きのバランスで保たれています。テークバックからフォローまで、どこか一箇所でバランスが崩れれば、前傾は自然にほどけます。逆に言えば、体の使い方が整えば、前傾を強く意識しなくても姿勢は残りやすいです。もしあなたが「アドレスでは前傾できるのに、振ると消える」と感じているなら、それは支える力が足りないのではなく、動きの途中で体が楽なほうへ逃げているサインかもしれません。前傾を守るより、前傾が残る動きを作る。この順番で考えたほうがうまくいきやすいかなと思います。

勘違いしやすい点

前傾姿勢は「止めて守る姿勢」ではなく、「正しく動けば残る姿勢」です。だから、筋肉で押さえ込む発想だけでは改善しにくいことが多いです。

スイング中に体の支点がズレると起き上がりが起こる

スイング中に起き上がりが発生する人の多くは、体を回しているつもりでも、実際には体の支点が途中でズレています。支点とは、前傾した上体を保ったまま回転するための基準となる位置のことです。本来、テークバックでは前傾姿勢を維持したまま、体を横方向にひねる動きが求められます。しかし、体のひねり方が分からないと、回転しやすいように無意識に上体を起こしてしまいます。すると、前傾していたときにあった支点が上方向へ移動します。ここ、見た目では少しの変化でも、スイング全体にはかなり大きく響きます。

例えば、テークバックで肩を回そうとした際に、胸が上を向いたり、頭の位置が高くなる動きが見られる場合があります。この動きが起きた時点で、体は前傾した状態で回る準備ができていません。そのままダウンスイングに入ると、前傾姿勢を保ったまま回転することが難しくなります。体は本来、同じ支点のまま回り続けたいのですが、途中でその支点が変わってしまっているので、戻す場所もぶれてしまいます。その結果、インパクト付近でさらに高さを変えてバランスを取ろうとしやすくなります。

このとき体は、バランスを取るために自然と上体を起こす方向へ動きます。起き上がりはインパクト直前の問題に見えますが、実際にはテークバックの段階で支点がズレた結果として表れています。ここがわかると、「インパクトでだけ我慢しよう」としてもうまくいかない理由も見えやすくなります。終点だけ直そうとしても、始点でズレているならまた同じことが起こるからです。

スイング中の一瞬ではなく、体の使い方の流れ全体を見直すことが重要です。支点のズレは、突然起こるアクシデントではなく、動作の前半で起きた小さな変化が後半で大きく見えるだけのことが多いです。私は、起き上がりが出る人ほど「インパクトの瞬間に何か悪いことが起きている」と感じやすいと思っています。でも実際には、その前から体は別の場所で回り始めていて、インパクトではその結果が表面化しているだけなんですよね。だから改善したいなら、どこで支点がズレ始めているかを見つけることがかなり大切です。

場面 起きやすいズレ その後に出やすい現象
テークバック 胸が上を向く・頭が高くなる 前傾したまま回れず、支点が上へ移動しやすい
切り返し 元の前傾へ戻れない 体が起きながら下りてきやすい
インパクト前後 上体がさらに伸びる トップ、ダフリ、フェース管理の乱れが出やすい

フォロースルーやボール意識が体の動きを乱すことがある

スイング中に体が起き上がってしまう人の中には、フォロースルーを大きく出そうとしたり、ボールを強く意識しすぎているケースがあります。一見すると良さそうな意識ですが、向け方を間違えると体の使い方を崩す原因になります。ここ、かなりややこしいですよね。フォロースルーを大きく、ボールをよく見る、というのは一般的には良い言葉として受け取られやすいです。でも、その意識が早い段階から入りすぎると、体が“今やるべき動き”ではなく“先の形”を作りにいってしまうことがあります。

例えば、インパクト後の形を意識しすぎると、早い段階から体を起こしてクラブを振り抜こうとする動きが出やすくなります。本来は前傾した状態で回転し続ける必要がありますが、フォロースルーを作ろうとする意識が先に立つことで、体の向きや高さが途中で変わってしまいます。その結果、回転の中で自然にフォローが出るのではなく、フォローの形を作るために前傾を失う、という順番になりやすいです。これはかなり起き上がりにつながりやすい流れです。

また、ボールを凝視しすぎると、頭の位置を固定しようとして首や上半身に力が入りやすくなります。その状態で体を回そうとすると、上下方向の動きが入りやすくなり、結果として体が浮くような動きにつながります。ボールをよく見ること自体が悪いわけではありませんが、「絶対に見続けなければ」と思いすぎると、回転より固定が勝ってしまうんですね。そうなると、前傾の中で回るより、伸び上がって合わせるほうが体にとっては簡単になります。

このように、フォロースルーやボールを見る意識そのものが悪いわけではありません。ただし、意識が体の動きよりも先行すると、無意識の補正動作として起き上がりが起こることがあります。体の動きの流れを優先し、その結果として形が作られるという順序を意識することが大切です。私は、起き上がりを改善したい時ほど「先の形」を追わず、「今どの姿勢のまま回るべきか」に意識を戻すほうがうまくいきやすいと感じています。

順番が大切です

フォロースルーの形やボールへの意識は大切ですが、それが体の動きより先に来ると前傾が崩れやすくなります。まずは前傾の中で回る流れを優先したいです。

起き上がりをミスではなく動作の結果として捉える考え方

起き上がりが出る人、とくにゴルフを始めたばかりの人は、スイング中に前傾姿勢を保つことができていない場合が多く見られます。前傾を維持したまま体を動かす感覚がつかめていないため、体を起こしたほうがクラブを振りやすく感じてしまうからです。前述の通り、テークバックで体をひねる動きがうまくできないと、前傾した状態で回転する準備が整いません。そのまま振り下ろしに入ると、前傾を保ったままでは動きにくくなり、体を起こす動作を無意識に選んでしまいます。

また、フォロースルーを大きく出そうと意識しすぎたり、ボールを当てようとして頭を固定しすぎることで、体が上下に動いてしまうこともあります。この上下動が起きると、前傾姿勢は保てず、結果として体が伸び上がる形になります。このように、起き上がりは偶然起こるものではありません。前傾姿勢を維持できない状態でクラブを振ろうとした結果、体が「動きやすい形」として選んだ動作が、起き上がりとして表れているのです。ここがかなり大切です。起き上がりを“悪いクセ”とだけ見ると、止めることばかりに意識が向きやすいです。でも実際には、体がそうせざるを得ない流れになっているなら、止めるだけでは改善しません。

だからこそ、起き上がりをミスとして責めるより、体がどこでそう動きたくなったのかを見たほうが前に進みやすいです。起き上がりは、いわばスイングの途中で起きたズレの最終結果です。結果だけを抑えようとしても、その前の回転や支点、腕と体の連動が整っていなければ、また別の形で同じ問題が出やすいです。私は、ここを「ミス」ではなく「体からの答え」と捉え直すと、改善のヒントがかなり増えると思っています。

起き上がりをなくしたいなら、起き上がらない体を作るというより、起き上がる必要がない動作の流れを作ることが大切です。体が自然に前傾を保てるなら、わざわざ我慢しなくても姿勢は残ります。そう考えると、起き上がりは責める対象ではなく、動き方の再確認を促してくれるサインとも言えます。ここに気づけると、改善はかなり前向きになりますよ。

見方を変えることが大切

起き上がりは「ダメな動き」ではありますが、体がその流れを選ばざるを得なかった結果でもあります。止めるより先に、なぜそれが必要になったかを見ると改善しやすいです。

左手の使い方から体幹が自然に働くスイング動作を作る

左手の甲の向きが体の連動を引き出す

ゴルフスイングでは、クラブを主に支えているのは左手です。右手は動きを助ける役割に近く、クラブの重みそのものは左腕で受け止める形になります。そのため、左手の使い方が不安定だと、体全体の動きも崩れやすくなります。左手の甲を下に向ける動きには、フェースの向きを整える意味だけでなく、クラブの重さに耐えるという重要な役割があります。甲が下を向くことで、左腕全体でクラブを支えやすくなり、手首や指先だけで重さを受ける状態を避けることができます。ここ、かなり大事です。左手の甲の向きは見た目の形だけの話ではなく、体の連動そのものを引き出すスイッチみたいなものなんですよね。

この状態が作れると、クラブの重さを体の近くで受け止められるため、腕と胴体がばらばらに動きにくくなります。無理に体を意識しなくても、左腕を通じてクラブの重さが体側に伝わり、結果として体の動きと腕の動きがそろいやすくなります。左手の甲を下に向けることで、クラブの重さを左腕全体で受け止めやすくなります。手先でクラブを操作しようとする必要がなくなり、クラブの重みが腕を通して体側に伝わる形になります。そうすると、前傾姿勢を保つために体を固める必要も減ります。

この状態が作れると、体は無理に姿勢を変えなくてもクラブを動かせるようになります。前傾姿勢を保とうと意識しなくても、体を起こさずにスイングを続けることができるため、起き上がりが起こりにくくなります。つまり、左手の甲の向きは見た目の形を整えるためのものではありません。クラブの重さをどこで受け止めるかを決め、その結果として体が無理なく動ける状態を作るための要素です。左手の役割をより深く整理したい方は、左手の甲の向きとフェース管理の関係を整理した記事もあわせて読むと、今回の内容がさらに腹落ちしやすいかなと思います。

私は、起き上がりを改善したい人ほど、体幹や前傾を先に意識するより、左手でクラブの重さをどう受けているかを確認したほうが変化が出やすいと感じています。左手の甲の向きが整うと、腕だけでなく体まで自然に整いやすくなるからです。

左手の甲の役割

左手の甲を下に向けるのは、形を作るためだけではありません。クラブの重さをどこで受けるかを決めることで、体と腕の連動を作りやすくする意味があります。

左手の甲を下に向けると腕の使い方が変わる理由

左手の甲を下に向けた状態でクラブを支えると、腕の使い方そのものが変わってきます。これは意識して力を入れるという話ではなく、体の構造上、自然に起こる変化です。左手の甲が下を向くと、手首や前腕だけでクラブを操作しようとする動きが減り、腕全体でクラブを支えやすくなります。クラブの重さを腕全体で受け止める形になるため、腕が体の一部として機能しやすくなります。ここ、見た目は小さな違いでも、中身はかなり変わります。手先で持つのか、腕全体で受けるのかで、体の反応がまるで違うんですよね。

例えば、クラブを持ったときに左腕に軽く力こぶができる感覚がある場合、それは腕で無理に振っているのではなく、クラブの重さを受け止められている状態です。このとき、腕だけが独立して動くのではなく、体の動きに合わせてクラブがついてくる形になります。逆に、左手の甲が上を向いたり、手のひら側で支えていたりすると、クラブの重さは手先へ逃げやすくなります。その状態では、重さを受けるために余計な操作が増え、結果として起き上がったり、手元だけで合わせたりしやすくなります。

こうして腕の使い方が整うと、体を起こしてクラブを振る必要がなくなります。前傾姿勢を保ったままでもクラブを扱いやすくなり、結果として起き上がりが起こりにくくなります。左手の甲を下に向ける意識は、腕を正しく使うための入り口として大きな役割を果たします。私は、この感覚が出ると「腕で振る」のではなく「腕で受けながら体で動かす」という状態に変わりやすいと思っています。

つまり、左手の甲を下に向けることは、フェースの管理だけでなく、腕の使い方を体とつながる方向へ変える効果があります。起き上がりを抑えたい時に、前傾を残そうとするより先に左腕の使われ方を整えると、結果的に姿勢も残りやすくなるのはこのためです。形だけを真似するのではなく、「重さをどこで受けているか」を感じながら試すと、かなり変化が出やすいかなと思います。

形だけにしないこと

左手の甲を下に向けるのは、見た目の矯正ではありません。手先で無理に固定するのではなく、クラブの重さを左腕全体で受けやすくするための使い方として捉えたいです。

屈筋の働きが上半身の安定につながる仕組み

左手の甲を下に向けてクラブを支えると、腕の内側にある屈筋が自然に使われるようになります。これは力を入れようと意識した結果ではなく、クラブの重さに対して体が適切に反応している状態です。屈筋が働くと、左腕はただ伸びた棒のような状態ではなく、重さを受け止められる形になります。このとき、腕だけでクラブを支えるのではなく、腕の付け根から上半身へと力の流れがつながりやすくなります。結果として、腕と胴体が分離せず、上半身全体でクラブを扱う感覚が生まれます。ここ、かなり重要です。腕の中だけで終わらない力の流れができると、上半身の安定感が一気に変わるからです。

例えば、左腕に軽く力こぶができる感覚がある場合、それは腕で振っているのではなく、クラブの重さに対して屈筋が反応している状態です。この反応が起きると、肩や胸まわりの力が抜け、体を固めずにスイングしやすくなります。逆に、屈筋がうまく働かず手先だけで支えていると、腕と体は切れやすくなり、クラブの重さは外へ逃げやすいです。その逃げた重さに体が引っ張られると、起き上がりやすくなります。

こうして屈筋を通じた力の流れができると、上半身は前傾した姿勢のままでも安定します。体を起こしてクラブを振る必要がなくなり、結果として起き上がりが起こりにくくなります。屈筋の働きは、上半身を支えるための「筋力」ではなく、正しい体の使い方ができているかどうかの目安と考えると分かりやすいでしょう。ここで大事なのは、屈筋を鍛えることより、自然に働く使い方を作ることです。

私は、起き上がりに悩む人が体幹トレーニングへ意識を向ける前に、この「重さがどこからどこへ伝わっているか」を感じてみる価値はかなり高いと思っています。左腕の内側が自然に仕事をすると、上半身の安定はかなり出やすいですし、その安定が前傾維持にもつながります。体を固める安定ではなく、つながっているから崩れにくい安定。この違いがわかると、スイングの見え方がかなり変わってきますよ。

屈筋の役割

屈筋は力任せに使うものではなく、クラブの重さを正しく受けた結果として自然に働くものです。この流れができると、腕と上半身がつながりやすくなります。

体幹を意識しなくても前傾が保たれる動きの流れ

左手の甲を下に向けてクラブの重さを左腕で受け止められるようになると、その重さは腕の中だけで止まらず、上半身へと伝わっていきます。このとき体は、前傾した姿勢のまま安定しやすい状態になります。この状態は、ボクサーがガードを構えたときの姿勢に近いものです。軽く前かがみになり、腕を体の前に構えた姿勢では、腹筋に自然と力が入り、上半身が安定します。腹筋に力を入れようと意識しなくても、姿勢そのものが腹筋を働かせる形になっています。ここ、かなりわかりやすい例えかなと思います。腹筋を使おうと決めなくても、そういう姿勢になれば自然に働くんですよね。

ゴルフスイングでも同じで、左腕でクラブの重さを受け止め、その重さが体の近くにある状態を作れると、上半身は少しかがんだ姿勢を保ちやすくなります。この姿勢では、腹筋は体を固めるためではなく、前傾を支える役割として自然に働きます。逆に、クラブの重さを腕で受け止められず、体から離れた位置で操作しようとすると、前傾した姿勢を保つことが難しくなります。その結果、腹筋がうまく働かず、体を起こしたほうが楽に感じてしまいます。

このように、腹筋を使おうと意識する必要はありません。左腕でクラブの重さを受け、体の近くで扱える状態を作ることで、ボクサーのガードのように腹筋が自然に働き、前傾姿勢が保たれる流れが生まれます。ここがわかると、体幹を意識しすぎて固まってしまう問題もかなり減りやすいです。私は、前傾を守ろうとするほど苦しくなる人ほど、この“結果として働く体幹”という考え方が合いやすいと感じています。

体幹は使うべきですが、作為的に固めるほどいいわけではありません。むしろ、クラブの重さと腕の支え方が整うことで、体幹は必要なぶんだけ自然に働くほうがスムーズです。起き上がりをなくすためにお腹へ力を入れ続けるより、左腕から上半身へ重さがつながる流れを作る。そのほうが無理なく続きますし、スイングも硬くなりにくいかなと思います。

体幹の考え方

体幹は先に固めるものではなく、正しい姿勢と重さの流れができた結果として働きやすくなります。意識しすぎて硬くなるより、自然に入る状態を作るほうが実戦的です。

左手主導を誤解しないために知っておきたい注意点

ここまで読んで、左手の重要性を強く感じた方も多いかもしれません。ただし、左手主導という言葉を「左手で強く振ること」だと捉えてしまうと、逆にスイングを崩してしまいます。ここ、かなり注意したいところです。左手が大事と聞くと、どうしても左手で引っ張る、左腕で操作する、左側でクラブを動かすという発想になりやすいんですよね。でも、それをやり始めると今度は腕主導が強くなり、体との連動がまた切れやすくなります。

左手主導とは、力を入れてクラブを操作することではありません。クラブの重さを左腕で受け止め、体の近くで扱える状態を作ることを指しています。この状態があって初めて、体の動きに合わせてクラブが自然についてくる形になります。また、左手の甲を下に向ける意識も、形を作るためのものではありません。フェースの向きを整える目的に加え、クラブの重さに耐えるための使い方です。甲の向きだけを意識して力を入れすぎると、手首や腕が固まり、かえって体の動きが止まってしまいます。つまり、左手主導は“使う意識”ではなく“支える意識”に近いんですよね。

大切なのは、左手でクラブを「振る」のではなく、「支える」ことです。クラブの重さを受け止められると、前傾姿勢や体幹は意識しなくても安定しやすくなります。結果として、起き上がりを抑えようとしなくても、自然と安定したスイングにつながっていきます。ここで左手を頑張らせすぎると、今度は右手を消しすぎたり、体の回転まで止めたりすることがあるので、その点も注意したいです。左手主導は、片手で何とかする発想ではありません。体とクラブをつなぐ入り口を左側で整える、くらいの理解がちょうどいいかなと思います。

左手主導はテクニックというより、体の使い方の土台です。無理に形を作ろうとせず、クラブの重さをどう受け止めているかを確認することが、改善への近道になります。もし左手を意識すると逆に窮屈になるなら、それは“支える”ではなく“操作する”に寄っているサインかもしれません。左手主導は強く使うことではなく、正しく受けること。その前提があると、起き上がりを含む多くのズレはかなり整理しやすくなりますよ。

誤解しやすい左手主導 本来の左手主導 起きやすい結果の違い
左手で強く引っ張る 左腕でクラブの重さを受ける 前者は腕主導で窮屈、後者は体との連動が出やすい
甲の向きを形だけ固定する 甲を下にして重さを受けやすくする 前者は手首が固まりやすく、後者は腕全体で支えやすい
右手を使わないようにする 右手は補助として添える 前者は不自然、後者は左右の役割分担がしやすい

起き上がりを防ぐゴルフスイングの体の使い方まとめ

  • 起き上がりは筋力不足ではなく体の使い方の問題である
  • 起き上がりが出る人は前傾姿勢を保てていない
  • 前傾が保てないと体を起こしたほうがクラブを振りやすく感じる
  • テークバックで体をひねれないと前傾したまま回れない
  • フォロースルーを意識しすぎると体が先に起きやすい
  • ボールを凝視しすぎると頭が上下して前傾が崩れる
  • 起き上がりはスイング中に体が選んだ動作の結果である
  • クラブの重さを支える主役は左手である
  • 左手の甲を下に向けるとクラブの重さに耐えやすい
  • 左腕で重さを受けると手先の操作が減る
  • 屈筋が働くと腕と上半身のつながりが強くなる
  • 上半身が安定すると前傾姿勢を保ちやすい
  • ボクサーのガードのような姿勢では腹筋が自然に働く
  • 腹筋は意識して入れるものではなく姿勢の結果として働く
  • 左手主導とは左手で振ることではなく重さを受けることである
プロフィール
この記事を書いた人

ゴルフ歴20年以上、ベストスコア81のNaoです。月一ゴルファーとして長く伸び悩んだ経験をもとに、100切りやスイング基礎、スコアメイクの考え方をわかりやすく発信しています。遠回りしたからこそ伝えられる視点で、初心者の上達をサポートします。

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