ゴルフのスイングは、どのプレーヤーにとっても「最初の一動作」が大きな影響を与えます。特に、アドレスからテークバックへ移る瞬間がぎこちなくなると、スイング全体のリズムが崩れ、ミスショットの原因につながりやすくなります。
私自身、多くのスイングを見てきた中で、フォワードプレスを形だけ真似しても始動が良くならないケースを数多く見てきました。そこで重要だと感じたのが、フォワードプレスを「動きを作るもの」ではなく、「始動のきっかけ」として理解し直すことです。
このページでは、フォワードプレスの正しい理解から、プロが採用する理由、初心者でも使いやすい動き方のステップ、実践ドリル、ラウンド中に再現するコツまでを体系的にまとめています。スイングの始動が安定しない、手打ちが直らない、リズムが揺れやすいという悩みを持つ方にとって、フォワードプレスは大きな改善のヒントになります。

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フォワードプレスがスイング始動を安定させる仕組み
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プロがフォワードプレスを取り入れる理由と効果
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正しいフォワードプレスの動作手順と実践的コツ
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ラウンド中でも再現できるフォワードプレスの活用方法
フォワードプレスでスイング始動を安定させる方法
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フォワードプレスとは何かを初心者向けに解説
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フォワードプレスがスイング始動に効く仕組み
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プロがフォワードプレスを使う本当の理由
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フォワードプレスで起きる良い変化と効果
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フォワードプレスが向いているゴルファーの特徴
フォワードプレスとは何かを初心者向けに解説
フォワードプレスとは、アドレスで完全に静止した状態からスイングを始める前に、手元(グリップ)をターゲット方向へわずかに動かす小さな予備動作です。動く量は2〜3センチ程度で十分で、大きく押し込んだり、腕を振ったりするものではありません。
この小さな動きの目的は「きっかけを作ること」です。アドレスで長く止まっていると筋肉が固まり、スイングの初動がぎこちなくなります。フォワードプレスを加えると、クラブヘッドがわずかに反応して戻る“反動”が生まれ、その流れに乗って滑らかにテークバックへ入れるようになります。
初心者が誤解しやすい点は、フォワードプレスが“力を入れて押し込む動き”だと思ってしまうことです。しかし実際は、動作の目的が「クラブを動きやすい位置に置く」ことであり、強い力や大きな動きは必要ありません。むしろ、ほんの小さな動作であるほど、始動のリズムが自然に安定します。
また、フォワードプレスは“スイングの方向性を変える動き”ではありません。クラブフェースを開閉したり、体重を大きく移したりするものではなく、あくまで 「動作を始めるための助走」 として使います。プロがよく取り入れるのも、スイングの再現性を高めるために一定のリズムを作りたいからです。
初心者の方は、「動きを始める小さな合図」と捉えるとシンプルに理解できます。毎回同じ量・同じタイミングでフォワードプレスを行うことで、スイング始動のバラつきがなくなり、ショット全体が安定しやすくなります。
フォワードプレスがスイング始動に効く仕組み
フォワードプレスは、アドレスからスイングの初動へスムーズに移るための“助走動作”として働きます。静止した状態から一気にテークバックに入ろうとすると、腕や肩が固まりやすく、クラブの動き出しが遅れたり、方向がバラつきやすくなります。小さな動きを先に入れておくことで、その固さがほぐれ、クラブが自然に動ける状態がつくられます。
最初に効果が現れるのは「反動」です。手元をわずかに目標方向へ押し出すと、クラブヘッドが軽く後ろ側へ引かれるような戻りの動きが発生します。この反動がテークバックの初速となり、「動き出しの迷い」を抑えてくれます。野球の素振りや縄跳びのスタートでも小さな助走動作があるように、ゴルフでも同じ原理が働きます。
もうひとつ重要なのが「リズムの固定」です。アドレスで止まっている時間が長くなるほど、人は体を固めてしまいがちです。フォワードプレスを入れると、止まった状態から“動の状態”へ移るきっかけが作れ、毎回同じリズムでスイングを始めやすくなります。プロがほぼ例外なく予備動作を使っているのは、このリズムを乱さないためです。
さらに、フォワードプレスは腕だけで動かすのではなく、肩や胸もわずかに連動します。その結果、テークバックの動線が安定しやすくなり、クラブが外側へ上がったり、インサイドへ引きすぎたりするクセが出にくくなります。動き出しが安定すると、トップの位置も毎回そろいやすく、スイング全体の再現性が高まります。
フォワードプレスは目立つほどの大きな動きではなく、ほんの数センチの変化ですが、この小さな動作がスイングの流れを整える大きな役割を担っています。
プロがフォワードプレスを使う本当の理由
多くのプロがフォワードプレスを入れてからスイングを始めるのは、単なるルーティンではなく、「スイングの質を安定させるために欠かせない理由」があるからです。プロのスイングを見ると、全員が同じ動きをしているわけではありませんが、何らかの“動き出しのきっかけ”を必ず使っています。
まず大きな目的が「静止による固さを防ぐこと」です。アドレスで長く止まると、腕や肩だけでなく下半身まで固まり、スイングの初動が遅れます。プロはこの“固さ”がミスにつながることをよく理解しているため、フォワードプレスでわずかな動きを入れ、身体のスイッチを入れています。これによって、毎回同じテンポでスイングを始められるようになります。
もう一つの目的が「クラブを自然に動ける状態にすること」です。クラブは静止していると重さを感じにくいのですが、少し動かすことで慣性が生まれ、テークバックへ流れやすくなります。プロはこの“クラブの重みが動きやすい状態”をつくるためにフォワードプレスを使っています。テークバックがなめらかに始まれば、トップ位置も安定し、切り返しまでスムーズな流れが維持されます。
さらに、プロはプレッシャーのかかる場面ほどフォワードプレスを丁寧に行います。緊張すると体が固まり、手先だけでスイングを始めてしまうリスクが高くなります。この状態を避けるために、プロはフォワードプレスで「リラックスした動作の流れ」を意図的に作り出しています。ルーティンとして定着している選手が多いのは、試合中でも再現性を保つためです。
最後に、フォワードプレスには「タイミングをそろえる」効果があります。プロにとって、毎回同じリズムでスイングすることは最大の武器です。フォワードプレスを一定のタイミングで行うことで、スイング全体のテンポが揃い、ショットの安定につながります。
プロがフォワードプレスを使う背景には、スイングの再現性、テンポ、クラブの動き出しの質を高めるという、競技プレーヤーならではの目的があります。派手ではないものの、ショットの精度を左右する大切な役割を担っています。
フォワードプレスで起きる良い変化と効果
フォワードプレスを正しく使えるようになると、スイング全体の流れが整い、ミスの原因が自然と減っていきます。動作としては小さなものですが、得られる変化は想像以上に大きく、初心者から上級者までメリットがあります。
まず、多くのゴルファーが実感しやすいのが「スイングの始動がスムーズになること」です。アドレスで静止したまま動き出そうとすると、腕だけが先に動いたり、力んだ状態でテークバックが始まったりしがちです。フォワードプレスで手元を少し前に動かすことで、クラブに“動きのきっかけ”が生まれ、初動が自然なリズムで出せるようになります。結果として、テークバックが一定のテンポで始まり、トップまでの流れが安定します。
次に起きる変化が「下半身から動き出しやすくなること」です。小さなフォワードプレスが入ると、上半身の固まりがほどけ、体の回転が滑らかになります。特に、始動の瞬間にクラブを手で上げてしまいやすい人には大きな改善効果があります。手先の動きが抑えられることで、身体全体を使ったスイングに切り替わりやすくなります。
さらに、フォワードプレスは「リズムとテンポの安定」に大きく貢献します。多くのゴルファーがショットを打つ直前に緊張し、スイングが急ぎ気味になりますが、フォワードプレスを入れると動作のリズムが整い、焦りが少なくなります。プロがルーティンとして取り入れるのは、このテンポ作りの効果が非常に大きいからです。
もう一つの効果が「体の力みが自然に抜けること」です。アドレスで固まると肩や腕が緊張し、スイングがぎこちなくなります。フォワードプレスによって体が動き出す準備が整うと、筋肉の張りが緩み、柔らかい動きを保ったままスイングできます。この“脱力した状態”はミート率の向上にも直結します。
そして、意外と知られていない効果が「方向性の安定」です。フォワードプレスによってクラブが正しい軌道に入りやすくなるため、テークバックがブレなくなり、フェースの向きが整いやすくなります。ショットの出球方向が乱れる人ほど、この恩恵を受けやすい傾向があります。
フォワードプレスはわずかな動作ですが、スイングの始動を整えることで、テンポ・体の使い方・ミート率・方向性など多くの要素が改善されます。シンプルな動きながら効果が大きいため、安定したスイング作りのスタートとして非常に有効です。
フォワードプレスが向いているゴルファーの特徴
フォワードプレスは万人に役立つ動作ではありますが、特に効果を大きく感じやすいゴルファーには共通する特徴があります。自分がどれに当てはまるかを知っておくと、取り入れる価値がより明確になります。
まず挙げられるのが「始動がぎこちなくなりやすい人」です。テークバックの最初の一動作で腕がカクッと上がったり、動き出す瞬間に力んでしまうタイプは、フォワードプレスを入れることでクラブが自然に動きやすくなり、スムーズなスタートにつながります。
次に「アドレスで体が固まりやすい人」です。ボールを前にすると緊張して動けなくなる、あるいはターゲットを長く見るほど身体が固まるというタイプは、フォワードプレスが特に有効です。小さな予備動作が入ることで、筋肉の強張りがほぐれ、スイング全体の流れがよくなります。
また「手でテークバックを始めてしまうクセがある人」にも向いています。手先主体の動きは軌道が乱れやすく、クラブが外側に上がりやすくなります。フォワードプレスを行うと、手元の微妙な動きが抑えられ、身体の回転を使ったテークバックに入りやすくなります。
さらに「ショットのテンポが毎回バラつく人」にも相性が良い動作です。スイングテンポが安定しないと、切り返しのタイミングが変わり、方向性やミート率が不安定になります。フォワードプレスはスイングテンポの“起点”を作る役割があるため、毎回同じリズムで打ちやすくなります。
もう一つ忘れてはいけないのが「緊張しやすい人」です。特にティーショットや狭いホールで体が固まり、スイングが急に速くなる人は多い傾向があります。フォワードプレスは動きの“入口”を作るため、プレッシャーがかかる場面でもスムーズに動き始められます。
最後に「球がつかまらない、右へ出やすい人」もフォワードプレスが合うタイプです。始動から軌道が整いやすくなるため、クラブがインサイドに入りやすくなり、フェースの戻りも改善されやすくなります。
フォワードプレスはほんの小さな動作ですが、動き出しのクセを整える効果は非常に大きいものです。上の特徴にひとつでも当てはまるなら、取り入れる価値は十分あります。
正しいフォワードプレスの作り方と改善練習法
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正しいフォワードプレスの動き方ステップ
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スムーズな始動につながるフォワードプレスのコツ
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フォワードプレスで起きやすい失敗と修正法
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始動を安定させる実践ドリルと練習メニュー
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ラウンド中に使えるフォワードプレス再現法
正しいフォワードプレスの動き方ステップ
フォワードプレスは、スイングの流れを作る「始動のスイッチ」としてとても優れています。ただし、動かし方を間違えると軌道が乱れたり、体が早く開いてしまうこともあるため、正しいステップで行うことが大切です。ここでは初心者でもすぐ再現できる手順に分けて解説します。
STEP1:アドレスで “静止しすぎない構え” をつくる
まずはアドレスの段階で体が固まらないようにします。
フォワードプレスは「固まった体を動きやすい状態に戻す」動作でもあるため、構えた瞬間にガチッと静止してしまうと効果が薄くなります。
足幅・前傾・グリップを整えたら、そのまま一度だけ軽く呼吸をして体をリラックスさせましょう。
STEP2:手元を1〜2センチだけ目標方向へ“前に押す”
これがフォワードプレスの核になる動きです。
・グリップエンドをほんの少し前(ターゲット方向)へ押す
・クラブヘッドは反対方向へわずかに下がる
・手首を大きく使わず、手元全体が前へ動くイメージ
この小さな動きが、反動としてスムーズなテークバックにつながります。
※多くのミスは、「手首だけを折る」「押し込みが大きい」の2つです。
動きは最小限、指先でなく“手元全体”を動かすことがポイントです。
STEP3:押し込んだ反動を利用してテークバックを始める
フォワードプレスを行う目的は、この「反動」を使うためです。
押し込んだ瞬間のエネルギーが自然に体の回転へつながるため、腕だけでクラブを上げる動きが減ります。
始動の違和感が消え、体の大きな筋肉でクラブを動かせるようになります。
テークバックを始めるときは、
「押した→戻る→そのまま流れる」
という一連の流れを止めないように意識します。
STEP4:フォワードプレスと体の回転が同時に進む感覚をつかむ
正しくできていると、
・手が前へ入る
・胸と肩がゆるやかに右へ向き始める
この2つが自然につながります。
もし手だけが動く、肩が遅れる、体重が左に残りすぎると感じる場合は、押し込みが強すぎるか、腕主体になっている可能性があります。
STEP5:トップまで動きを止めず、全体の“流れ”を優先する
フォワードプレスは「きれいなトップを作るため」ではなく、
・止まらないスイング
・一定のリズム
・ブレない始動
を作るための入り口です。
押し込んだあとに途中で動きを止めてしまうと、フォワードプレスの意味が薄れ、かえってタイミングがズレてしまいます。
テークバックが上がり始めたら、トップまで一気に流すことが大切です。
このステップで得られるメリット
・腕で上げるクセが減り、体で始動できる
・スイングのテンポが安定
・切り返しがスムーズになる
・右への押し出しや引っかけが減る
・緊張した場面でも動き出しが安定する
丁寧に作るというより、「小さく動かして流れを作る」という気持ちで行うと成功しやすくなります。
スムーズな始動につながるフォワードプレスのコツ
フォワードプレスは「テークバックをスムーズに始めるためのスイッチ」です。ただし、動かし方のコツを理解していないと、逆にリズムが崩れたり、クラブが外へ外へと流れてしまうことがあります。ここでは、始動を安定させるために知っておきたい実践的なポイントをまとめます。
コツ① 動きを“最小限”にするほど成功率が上がる
フォワードプレスの最大の落とし穴は、動きを大きくしすぎてしまうことです。
特に初心者は不安が出て押し込み量が増えやすく、その結果…
・手首だけ折れる
・軌道が外へ外へ流れる
・上体が突っ込む
といった典型的なミスにつながります。
理想は 1〜2センチだけグリップを前へ押す 程度。
小さな動きほど“反動”が自然になり、スムーズな始動ができます。
コツ② 押し込むのではなく “流れを作る” 意識に変える
フォワードプレスは「押す動作」ではなく、「動き出しの流れをつくる動作」です。
押すことが目的になってしまうと動きが固まり、スイングが二段階になりやすいですが、
“流れをつくる” と考えると余計な力が抜け、自然なテークバックへつながります。
ポイントは、
押した瞬間に戻る動作が自動で始まるような軽さ
です。
コツ③ 目線や首を固定しすぎない
フォワードプレスのときに目線をガチッと固定すると、手が先に動きやすくなり、動作のリズムが悪くなります。
おすすめの意識は、
・目線は「ぼんやり」ボールを見る
・首まわりには力を入れず、視線の位置は変えない
という2点です。
特に「ボールを凝視しすぎる」とテークバックが上にしか上がらず、スイングが固くなるので注意が必要です。
コツ④ 体の回転が“同時に動き出す”感覚をつかむ
理想のフォワードプレスは、
・手元が前へ動く
・胸と肩がほんの少し右へ動き始める
この2つが自然につながっています。
手だけが動いてしまう人は、
グリップだけを押していないか?
を確認してください。
逆に、押した瞬間に肩が大きく動く場合は、強く押し込みすぎています。
コツ⑤ 「反動 → 始動 → テークバック」の一本流れを止めない
フォワードプレスの効果は、動きの「つながり」にあります。
押した → 戻る → 回る
の3つがひとつの動作になることで、体の大きな筋肉が使われ、始動が安定します。
途中で止まってしまうと…
・テークバックの初動がぎこちない
・腕でクラブを上げる
・トップが浅い
といったミスが出やすくなります。
フォワードプレスは“きっかけ”であり、形をつくる動作ではありません。
スムーズな始動ができると得られるメリット
・ゆったりしたリズムで振れる
・手打ちが減り、体でクラブを動かせる
・切り返しのタイミングが整う
・スイング全体の力みが取れる
・ミスショットが減る
フォワードプレスは、小さな動作でスイングの質が大きく変わる非常に効果的な技術です。
フォワードプレスで起きやすい失敗と修正法
フォワードプレスは動き出しをスムーズにする便利な動作ですが、使い方を誤るとかえってスイングを乱すきっかけになります。ここでは多くのゴルファーがやりがちな失敗と、その場で改善できる具体的な修正法を紹介します。
まずよくあるのが「動きが大きくなりすぎる」ことです。手元を大きく押し出すと体重が前へ流れ、スイングが突っ込んだ形になりやすくなります。また、押し出した反動が強すぎるため、テークバックの軌道が暴れ、クラブが外側に上がる原因にもなります。動作の大きさを適正に戻すには、グリップエンドを1〜2センチだけ前に“置く”ように動かすだけで十分です。押し出すのではなく、軽く触れるような量にすると自然と最適な大きさになります。
次に多いのが「押す方向がズレている」ケースです。手元を上に押し上げたり、外側(右方向)へ払うように動かしてしまう人がいますが、これでは手だけが独立して動き、始動がバラバラになります。正しい方向は、ターゲット方向へ水平にほんの少しだけ。腕ではなく“前腕と体の前面が一緒に動く”ようなイメージを持つと、方向のズレが自然と修正されます。
さらに注意したいのが「フォワードプレスをきっかけにリズムが崩れる」パターンです。例えば、押してから間が空いてしまい、再度動き出すときにスピードが急に上がるなど、テンポが不安定になる人は少なくありません。これは“押したあとに止まる”ことが原因です。修正するには、押した瞬間からそのままテークバックへ流れ込む意識を持つこと。動きが連続するとテンポが一定になり、ショットの再現性が高まります。
もう一つの代表的なミスが「肩が回りづらくなる」現象です。本来は肩の回転を助けるためのフォワードプレスですが、手だけを動かすと上半身の力みを誘発し、肩が回りにくくなることがあります。肩の可動性を保つには、フォワードプレスの瞬間に首や肩を固めないことが重要です。視線をぼんやり保ち、背中側の筋肉の余裕を感じながら行うと、肩の回転とのつながりがうまくいきます。
最後によく見られるのが「タイミングが早すぎる」ケースです。スイングに入る前、ターゲットを確認する段階でフォワードプレスを行ってしまうと、その後のアドレスで再び固まってしまい、意味がなくなります。理想は、アドレスが完全に整った“直後”。これにより、押す → 戻る → 回る の流れが崩れず、スムーズにスイングへ入れます。
フォワードプレスは小さな動作ですが、動かし方次第でメリットにもデメリットにもなります。動きを小さく、方向を正しく、押したあとの流れを止めない。この3つを押さえるだけで、自然で再現性の高いフォワードプレスになります。
始動を安定させる実践ドリルと練習メニュー
フォワードプレスをスイングに定着させるには、実際に体を動かしながら「押す → 流れる → 回る」の一連の流れを身につけることが効果的です。ここでは、初心者でもすぐ取り組めて、動き出しが安定する実践的なドリルを紹介します。
まず取り組みたいのが「押してすぐ上げる連動確認ドリル」です。アドレスを整えたら、グリップエンドを1〜2センチだけ前へ押し、その0.5秒以内にテークバックを始めます。このとき、押したあとに止まらないことが重要です。止まる癖のある人は、押した直後に「スーッ」とクラブが自然に上がっていく感覚を意識すると、タイミングがスムーズになります。鏡の前で腕だけが先に動いていないか確認すると、体との連動もつかみやすくなります。
次におすすめなのが「リズム一定スイングドリル」です。フォワードプレスはテンポを作る動作でもあるため、リズムが安定すれば始動が自然に揃ってきます。やり方は簡単で、「1(押す)・2(上げる)・3(切り返し)」と声に出しながらゆっくりスイングします。カウントを一定にするだけで、押すタイミングと回り始めるタイミングがブレにくくなり、強引な始動が減っていきます。特に打ち急ぎがある人には効果的です。
3つ目が「クラブなし腕組みドリル」です。胸の前で腕を組み、フォワードプレスの代わりに身体を1センチほど前へ揺らし、すぐに肩を回します。クラブがないことで、視線や腕の余計な動きに惑わされず、純粋に“体の流れを止めない感覚”が身につきます。スイング前に数回行うだけで体がほぐれ、固まりにくくなるメリットもあります。
さらに実践的なのが「連続スイングドリル」です。ハーフスイングで構え → 押す → 回る → フォロー → そのまま次のスイング、と止めずに続けます。連続動作にすると、押す動きが自然に小さくなり、スイングへの入りがスムーズになります。フォワードプレスを強調しすぎてしまう人ほど、この連続ドリルで余分な動きが削られていきます。
最後に取り入れたいのが「実打での最小セット練習」です。1球ごとにフォワードプレスの量を変えながら打ち、最もミスが出にくい量を探します。1センチの動きでも弾道が変わるため、最適な量を体で理解することが安定につながります。自分のベスト量がわかったら、それをルーティンに組み込むと、ラウンドでも再現しやすくなります。
これらのドリルは、フォワードプレスが“形”ではなく“流れ”であることを体に覚えさせるためのものです。動きを止めず、リズムを整えていくほど、始動の安定度は大きく向上していきます。
ラウンド中に使えるフォワードプレス再現法
練習場ではうまくできても、ラウンドに入るとフォワードプレスが急にぎこちなくなることはよくあります。原因の多くは、状況に応じてテンポが乱れたり、構えた瞬間に体が固まってしまうためです。ここでは、実戦の中でも安定してフォワードプレスを再現できるシンプルな方法を紹介します。
最初に取り入れたいのが「構える前のミニ動作」です。ボールの後方で狙いを決めたら、アドレスに入る前にクラブを軽く前後に1回ゆらし、手元の動きと身体のリズムを作ります。これは本番で固まってしまうのを防ぐ効果があり、フォワードプレスが自然に小さく収まる準備にもなります。アドレスに入ってから動きを作ろうとすると固さが出るため、前段階の準備が意外と重要です。
アドレスに入ったら、静止時間を長くしないことがポイントです。長く止まるほど体は固まり、フォワードプレスの動き出しが不自然になります。おすすめは「呼吸を使う方法」で、軽く息を吐きながらフォワードプレスを作ると、動きがスムーズに流れます。力みがあると押す動きが大きくなりやすいので、息を吐くことで自然にコンパクトになります。
次に役立つのが「押し幅の決め方」です。ラウンド中は目標方向や傾斜によって感覚が変わりやすいため、毎回同じ量を意識すると逆にミスにつながることがあります。そこで、押し幅は1センチ程度を“基準”にしつつ、球筋が安定しない日は0.5センチ以下に縮めるなど微調整を行います。押しすぎると動きが乱れやすくなるため、大きく動かす必要はありません。
さらに効果的なのが「ボールを左目でぼんやり見る」意識です。ガチッと凝視すると頭が固まり、フォワードプレスの流れが詰まってしまいます。一方で、左目で柔らかく見るようにすると、視線が安定し、スムーズに始動へ入れます。プロも似た方法を取り入れており、プレッシャーがかかった場面ほど効果を発揮します。
また、緊張しやすいティーショットでは「最小限のルーティン化」が有効です。例えば
① クラブを軽く揺らす
② アドレス
③ フォワードプレス
④ そのままテークバック
という流れを固定しておくと、状況が変わっても動き出しが安定します。ルーティンがあるだけで迷いが減り、フォワードプレスの量も毎回ほぼ同じになりやすくなります。
最後に、傾斜地ではフォワードプレスを深くしすぎないことが重要です。特に左足上がりでは前へ押し込みすぎると上体が起きやすく、右足下がりでは押しすぎるほど軸がブレます。傾斜では半分程度の小さな押し幅に抑えると、姿勢が崩れにくくなります。
ラウンドでは「強調せず、整えるために使う」という意識が大切です。フォワードプレスが自然に入ると、動き出しが滑らかになり、ショットの再現性は確実に高まります。
フォワードプレスでスイング始動を安定させる総まとめ
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フォワードプレスは手元を1〜2センチ前へ動かす小さな予備動作である
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始動のきっかけを作り固まった筋肉を動きやすくする役割がある
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押し込みによる反動がテークバックの自然な初動につながる
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毎回同じリズムを作ることでスイングテンポが安定しやすい
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プロが使うのは緊張下でも再現性を保てる効果が高いためである
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手先の動きを抑え体全体で始動できる形に導く効果がある
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フォワードプレスは手先主導のテークバックを防ぎ軌道を安定させる
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始動時の力みやぎこちなさを抑える働きがある
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スイングテンポがバラつくゴルファーに特に有効である
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押し込み量が大きすぎると軌道が乱れるため最小限が適切である
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押し込む方向はターゲット方向への水平動作が正しい
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押したあとに止まらずテークバックへ流すことが成功の条件である
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視線を固めすぎないことで肩と腕の自然な連動が生まれる
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ドリルで反動と始動のつながりを繰り返すと定着が早まる
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ラウンドでは静止時間を短くし自然なテンポで再現することが重要である
